韓国ノワール

最近,韓国ノワール系の映画をひたすら観ている.

フィルム・ノワール(film noir)というのは,映画の一分野の総称で,1940年代前半から1950年後半にアメリカで制作された犯罪映画が発祥になる.Wikipediaから引用すると虚無的,悲観的,退廃的がキーワード.

韓国ノワールの特徴は,自分の言葉でいうと,目を背けたくなるような悲惨な展開,ドス黒い人間の狂気/醜態,観終わった後に思いもよらない場所に連れていかれる物語,深い社会風刺などがあげられると思う.

この感覚って何だろうと思ったら,園子温のいう「覚醒させる映画」に近いなと.以下,園子温の“非道に生きる”からの引用.

{%blockquote%} 映画が独自に持っている機能,もしくは映画に期待されてきた役割は2つあると思います.一つは政治や社会,人生に対する欲求を解消すること.欲求のはけ口となって,すっきりさせる,「満足させる映画」です.…もうひとつは,それとは全く逆に,見たくない暗部を見せることで,人を怒らせ苛立たせたり,感情を逆なでして緊張感を生み出す,「覚醒させる映画」です. {%endblockquote%}

あと「母なる証明」のレビューを見ていてああと思ったのは,立川談志のいう「人間の業の肯定」.この言葉でも表現できると思う.

{%blockquote%} ふつうは忠臣蔵の四十七志が主人公.でも落語はね,この(四十七志以外の)逃げちゃった奴等が主人公なんだ.人間は寝ちゃいけない状況でもねむたきゃ寝る.酒を飲んじゃいけないとわかっていてもついつい飲んじゃう.夏休みの宿題は計画的にやった方があとで楽だとわかっていてもそうはいかない.それを認めてやるのが落語だ.

客席にいる周りの大人たちをよく見てみろ.昼間からこんなところで油を売ってるなんてロクなもんじゃねェ~ョ.でもな,努力して皆偉くなるんなら誰も苦労はしない.努力したけど偉くならないから寄席に来てるんだ.『落語とは人間の業の肯定である』.よく覚えときな.嫌なことがあったら,たまには落語を聴きに来いや. {%endblockquote%}

ただ,どの映画も観終わった後に,これどう感じればいいんだ!ってなる.言葉で表現できない部分が多い.だからこそ,純映画的な感動があると言える.

役者も良い.役者の顔が良い.主役はもちろん,ちょっとした脇役も素晴らしい存在感を放ってくる.ソン・ガンホ最高.

以下,こんなの観た.

なかなかオススメは難しいが,”殺人の追憶”,”新しき世界”はエンターテイメントとしても最高に面白いので是非.